脳のスイッチを入れる読書
先日読んだ本に書いてあった話。
作家の奥泉光氏は、毎日執筆を始める前に夏目漱石の「吾輩は猫である」を読むそうだ。
漱石を読むことで、脳の状態を創作活動モードへスイッチオンするということだろう。
この話を読んで、かのクロード・レヴィ=ストロースが、論文の執筆に入る前にマルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」を読んでいたというエピソードを思い出した。
知的生産に関わる職業に従事する人の中には、こういった習慣を持っている人が少なくないのかもしれない。
たしかに、良質の読書には、頭のエンジン回転数を瞬時にして上げる効果があるように思う。
就寝前にその状態に入ってしまうと、眠れなくなってしまうという副作用はあるが。
弁護士と話をしていると、「切羽詰まらないと書面の作成が捗らない」という話をよく聞くが、これは頭のエンジン回転数を上げるきっかけを日常生活の中で得ることがなかなか難しいということだろう。
難しい書面であればあるほど、通常の回転数のままでは作成が難しい。
そして、切羽詰まって尻に火が付いて初めて無理矢理エンジンをかけるということになると、その分消耗が大きいのかもしれず、長期的にみるとあまり健全な状況ではない。
書面を書き始めるまでに時間がかかっても、書き始めると(頭の回転数を一段あげることができれば)、かなり短時間で仕上がってしまうことは少なくないものである。
書面の作成方法には、それぞれの弁護士なりの流儀があると思うが、意識的にエンジンをかける方法を身に付けていれば、日常業務をよりスムーズに進行させることができるかもしれない。
そこで、意識的にエンジンをかけるための読書という方法を取り入れてみたいと思っているのだが、自分にとってこの目的を達成するための最良の本とは何だろうか。
すぐに思い浮かぶものはない。
出会ってはいるかもしれないが、まだ気づいていないだけかもしれない。
何度読んでも新鮮さを失わず、新たな発見があり、かつ毎回頭の回転数を上げてくれる本というのは、そうそうあるものではないだろう。
そのような条件を充たす本ということになると、やはりそれなりに骨のある「古典」ということになる。
マルクスも有力候補かな。
あるいは、アリストテレスの「弁論術」か、キケロ―か。。。
皆様、何か良い本があれば教えて下さい。
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