岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

的場昭弘「超訳 資本論」を読みました。

資本論の勉強も少しずつ継続している。

お盆休みに読んだのが、「超訳資本論』」三部作。

超訳『資本論』 (祥伝社新書 111)/祥伝社


超訳『資本論』第2巻-拡大再生産のメカニズム (祥伝社新書153)/祥伝社


超訳『資本論』第3巻 完結編-「資本主義」は、なぜ人々を不幸にするのか? (祥伝社新書154)/祥伝社


資本論のことを少しでも学んだことがある方であれば、

 資本論が全3巻で構成されていること

 マルクスが全てを書き上げたのは第1巻のみであること

 第2巻・第3巻はエンゲルスが編集したものであること

についてはご存知のことと思う。

本三部作は、それぞれ「資本論」の第1巻から第3巻に対応する構成となっている。

章立ても「資本論」のままとなっており、それぞれの内容を「超訳」していくというもの。

だが、いかんせん、あまりにも大部の「資本論」を「超訳」するということには無理があったようだ。

残念ながら、著者が本来意図していた内容の水準には達していないのではないだろうか。

本書について致命的と感じた点は、記述内容がマルクス自身によるものなのか、著者の個人的な見解なのかがよく分からない部分が多いことである。

もっとも、章立てが「資本論」そのままとなっていることで、資本論全体の構成が見通せることは良いと思う。

佐藤優氏もどこかで書いていたが、「資本論」は「後」を読まないと「前」の論述の意味が正確には理解できない構成になっているのだ。

それが分かったことは本書を読んで得られた収穫である。

資本論関係の書籍は現在でも多数出版されているが、本書のように資本論「全体」の構成を「漏れなく」平易な言葉で説明した書籍には、意外に類書がそれほど多くないように思う。



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