岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

「ふしぎなキリスト教」を読みました。

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)/講談社


これも先日読みました。

キリスト教のことを「信仰」と切り離して語った本です。
というより、あえて「信仰」しない立場から語った本と言った方が正確かもしれません。

世にキリスト教の関連本は数限りなくありますが、「信仰」を切り離し、かつ素人向けに書かれた本って意外と少ないんですよね。

信仰する人の立場から見ると内容に不正確な点なんかもあるようですけど、私個人としてはとても楽しく読ませていただきました。

法律家の立場からすると、近代立憲主義・民主主義の成立過程に関わる記述は面白かったです。

自然権」思想は法学徒であれば必ず勉強するものですが、「自然権」というものは、キリスト教の「神」が作った設計図に書かれているものなんですね。

もともと「科学」というのは、神がどのようにこの世界を作ったのかという設計図を読み解く目的で発展してきたもの(これが自然科学)ですが、この手法を社会制度に応用して社会の成り立ちを読み解こうとしたとき、社会科学は「自然権」というものを「発見」したのだそうです。

人権思想の成り立ちからすれば当たり前の話なんですけど、目からウロコが落ちました。

日本人が「自然権」とか「人権」とか言われてもなんだかよく分からないという印象を持つのはある意味当然ですね。

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