岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

『信長は光秀に「本能寺で家康を討て!」と命じていた』読了。

信長は光秀に「本能寺で家康を討て!」と命じていた (双葉新書)/跡部 蛮


読了。

推論過程はお粗末と言わざるを得ませんが、こういった本を読む楽しみというのは、推論過程を楽しむだけでなく、色々な可能性に触れることでインスピレーションを得るところにもあるわけで。

先日もNHKで「本能寺の変」特集をやっていましたが、その中で、歴史学者である磯田道史さんが「もし歴史上の1年間を直接体験できるなら、天正10年(1582年)」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。

本能寺の変の真相については、色々な人が色々なことを言っていますが、私自身の考え方としては、事件の起こった要因を一つに絞ることはそもそも不毛であって、様々な要素が結合した結果として起きた事件だと思っています。

結論がでないことは分かっているのに、あーだこーだ言って色々な可能性を探求するのは楽しいものです。「歴史的事実」は一つしかないのにね(見方によって色々な事実があるとはいえますが)。

ところで、弁護士が裁判で証明していく事実も「歴史的事実」なわけで、色々な証拠や確定的な事実から、問題となっている歴史的事実の真偽について答えを導き出していくのも法律家の仕事なわけです(最終的に判断するのは裁判官ですが)。

つまり、歴史学者のやっていることと法律家のやっていることは本質のところでは同じなんですね(法律家の場合は、例えば「約束があったのかなかったのか」なんていう問題になりますが)。

そういった意味でも、こういった書籍は刺激になります。
逆にあまりに推論過程が雑だと、「それはねーだろ」と思わずツッコミを入れたくなってしまったりして。

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