小谷野敦「日本人のための世界史入門」を読みました。
世界史の勉強がとにかく楽しい。
お盆休みに副読本として読んだ一冊がこちら。
日本人のための世界史入門 (新潮新書)/新潮社
アマゾン先生の評価にはかなり厳しいレビューが並んでおり、それらの感想が全く理解できないわけでは無い。
というのも、この本は池上さんの本のように、全く知識のない者が読んで世界史を理解するという類の入門書ではないからである。
しかし、以前このブログで述べたとおり、私が「入門書」に求める条件は全く別のところにある。
すなわち、私が「入門書」に求める必要条件は「次につながる」「知的好奇心を刺激してくれる」という点にあるのだ。
そういう視点で見ると、本書には当該問題に関して読むべき本や映画が随時紹介されており、もっと詳しく知りたいという欲望を刺激される点で、入門書に求められる条件を充たしていると思う。
また、「歴史は偶然の産物に過ぎない」という著者の見方は、たしかに身も蓋もないものかもしれない。
しかし、これに限らず、著者の意見は意見として参考にしておくだけでよいし、著者の意見が正当であるかどうかを判断するためには、必然的に教養を深めなければならず、知的好奇心旺盛な読者であれば、むしろ学習意欲は高まるであろうから、取り立てて批判すべきものとは思わない。
何事も新しい知識を吸収するというのは楽しいものである。
特に基本的な知識が増えているときは、それまで全く「無」であったものが「有」になっていく段階のため、急激に視野が広がる気がする(気がするだけかもしれない)。
弁護士にとって必要な素質というのは色々あると思うが、私が自信を持って誇れる(唯一の)素質は、知的好奇心が旺盛だという点である。
「新しいことを学ぶのが苦痛で仕方ない」という方は、はっきり言って全く法律家には向いていないので、もし法律家の道を検討しているのであれば、すぐに方針を変更した方がよいと思う。
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