水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」を読みました。
資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)/集英社
週刊ダイヤモンド誌の2014年ベスト経済書を読みました。
本書は、なぜ資本主義が終わりを迎えようとしていると言えるのか、資本主義というものの本質から説き起こし、経済成長を目指す政策は失敗すると結論付けています。
そして、
どれだけ異次元金融緩和でジャブジャブにし、どれだけ大企業を儲けさせたところで、トリクルダウンは決して起きない(むしろ逆効果であり、格差がどんどん拡大する)
どれだけ財政出動したところでグローバル金融資本の前では無力である
ということが明快な理路で論じられています。
正統派の経済学をきちんと学んだ人間には、著者の見解は「異端」と映るようですが、私のような素人からすると、著者の考え方は極めて真っ当であるように思えます。
我々はそろそろ経済成長神話から目を醒まし、ゼロ成長時代の中でいかに資本主義をソフトランディングさせていくか、本気で考えるべきではないでしょうか。
しかし、そのような政策が真っ当に議論される日は、永久に来ないのかもしれません。
「経済のことをもう少しちゃんと考えたいけど何から読めばいいか分からない」という方、必読です。
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