中野京子著「印象派で『近代』を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ」を読みました。
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)/NHK出版
中野京子さんの「印象派で『近代』を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ」を読みました。
岡山にいるとどうしても東京にいたときより美術館が縁遠いものとなってしまいます。
残念ながら西洋の有名美術館の展覧会が開催されることは稀です。
(ただし、倉敷には世界に名立たる大原美術館があることを特筆しておきます)
そんなわけで、「絵画」に触れることの少ない日常を過ごしていたのですが(ただし、テレビ東京系列の「美の巨人たち」は録画して少しずつ見ています)、今回この本を手に取ってあらためて絵画の魅力に触れることができました。
印象派の画家というと、モネ、マネ、ルノワール、ドガなどが非常に有名ですよね。
個人的には、ギュスターヴ・カイユボットも好きです。
この本では、印象派の絵画を通じて、19世紀中ごろ~19世紀末ころのフランスの社会状況も学ぶことができます。
でも、当時の社会状況を踏まえた解説というのは、一般の美術評論にはあまりきちんと書かれていないことが多いんですよね。
美術、音楽、もちろん文学も社会の影響を受けますので、当時の社会状況や世界史の知識がないと理解できないことも多いです。
また、美術、音楽、文学の潮流が相互に連関しています。
産業革命後、新興ブルジョワ階級、労働者階級、あるいはいわゆる高級娼婦がどのような生活をしていたのか、教科書などで学んだことから抽象的には知っていますが、この本では絵画を通すことでもっと現実的なものとして実感することができました。
ヴェルディの「椿姫」やプッチーニの「ラ・ボエーム」といったオペラで描かれた世界観と重ね合わせて読んでみるのもまた一興です。
最良の印象派入門書としてご紹介します。
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