ハイティンク引退
巨匠ハイティンクが9月6日のウィーン・フィルとのコンサートを最後に引退しました。
ルツェルン音楽祭の公式チャンネルでブル7の最後2分程度を視聴できます。
なんか凄そうなコンサートなので、全編聴きたいです。
終演後、会場が一体となってマエストロを称える拍手がまた感動的。
Farewell Bernard Haitink | LUCERNE FESTIVAL
以前ブログの記事でハイティンクの円熟について書いたことがあります。
最後の数年、音楽自身に音楽を語らせるような本当に良い演奏をしていたと個人的に思っているので、引退は残念です。
晩年の演奏からいくつかご紹介しましょう。
2015年の定期で取り上げられたシューベルトの交響曲第5番。
Schubert: Symphony No. 5 / Haitink · Berliner Philharmoniker
2016年、シューベルトの未完成。
Schubert: Symphony No. 7 “Unfinished” / Haitink · Berliner Philharmoniker
今年(2019年)、後述のブル7の前座で演奏されたモーツァルトのピアノ協奏曲第27番。
モーツァルトの美質を壊さない見事なサポートです。
Mozart: Piano Concerto No. 27 / Lewis · Haitink · Berliner Philharmoniker
これらの3曲はいずれもある種の「純真性」を持っていて、演者の恣意が入り込むと簡単に壊されてしまう(そして演者の恣意を取り除くのは非常に難しい)というイメージを持っているのですが、これらの演奏では音楽が自然に持っている美質が見事に引き出されていると思います。
ところで、ハイティンクは今年に入ってからベルリン・フィルの定期などでもブル7を取り上げています。
引退コンサートの演目で取り上げることも予定した上でのプログラミングだと思いますし、特にお気に入りの作品なんでしょうね。
ベルリン・フィルの定期は、こちらのページでトレイラーがご覧いただけます。
個人的な思い出話をすると、ベルリンで聴いたヴァントのブル7は本当に凄かった・・・(もう何度も書いてる)