読書の秋(前編)
秋も深まりつつある今日この頃。
特にいつもより多く読んでいるわけでもありませんが、ここ2~3ヶ月以内に読んだ本を覚えている範囲で寸評とともに記録しておきたいと思います。
たまに備忘録でも残しておかないと、時間が経ったときに読んだかどうかもよく分からなくなっているので (^o^;)
最近、固有名詞がすぐに出てこなくて 汗
老化は固有名詞が出てこなくなるところから始まるらしいです 💦💦
予想外に分量が増えそうなので、前後編に分けてお送りします。
・松尾豊「人工知能は人間を超えるか」
最近、特に興味を持っている分野の一つが人工知能(AI)。
人工知能について全く知識のない方が最初に読む本としてオススメしたい一冊。
一通りの知識は得られます。
著者は人工知能の可能性について肯定的(楽観的)に考えている模様。
というより開発者なので、端的に言えば「予算もっとくれ」(バスに乗り遅れるな)というアピールの本なのだろうと理解しました。
こちらの著者は人工知能の可能性について否定的な(というより、AIに出来ることと出来ないことをもっとしっかりと見極めようよ、という)立場。
この辺りは非常に哲学的な問題となってきます。
やはり人間は未知の問題に遭遇すると哲学に戻っていくのですね。
というより、人工知能自体が「人間の認識とは何か」という問題に直面しているわけだからね。
著者は人工知能の可能性に対して、というより人工知能の可能性をオーバーに強調し過ぎる現在の「風潮」に対して批判的というべきか。
シンギュラリティ(技術的特異点、簡単に言うと「人工知能が人間の知能を超えるとされる時点」のこと)はまだまだ起こらないとの見解に立たれています。
全人類の中でもトップクラスの知的エリートが人工知能をどのように見ているのか。
否が応でも気になるところですよね。
人工知能の進歩について、羽生さんはとても好意的に(興味深く?)捉えているようです。
NHKによる人工知能の特集番組を書籍化したもので、ところどころ挿入される制作側(NHKスタッフ)の解説が効いています。
・NHKテキスト「100分de名著 ハンナ・アーレント 全体主義の起原」
NHKの番組「100分de名著」で取り上げられたハンナ・アーレントの「全体主義の起原」。
このタイミングでこの著作を取り上げるところにNHKの意思を感じる。
現下の世界で起こっている現象が全体主義的な兆候と言えるのか、それは個人個人が判断すべきことだが、この著作を知らずして全体主義を語ることはできない。
副読用テキストですが、とりあえず全体像は分かります。
オススメ。
アーレントの思想の全体像を概観するのにちょうど良い。
「全体主義の起原」だけでなく、その他の主要著作(人間の条件、革命について、イェルサレムのアイヒマンなど)にも触れられています。
少しでもアーレントに興味を持った方は必読。
現在出版されている書籍の中で最良のアーレント入門書だと思います。
哲学者さんの著作だけあって、政治哲学というよりどちらかと言うと純粋哲学寄りの解説なのかな?(うろ覚え)
カントとの関係がかなり重点的に書かれていた(ような気がする)。
(読んでから時間が経ってしまったので・・・間違っていたらすいません・・・・・・)
(後編に続く)