サンキュータツオ「国語辞典の遊び方」を読みました。
最近読んで面白かった本をご紹介。
国語辞典の世界の魅力を初心者向けに分かり易く語った本です。
メディアなどでよく取り上げられる「新明解」の世界については、以前から承知していましたが、それ以外の辞書についてはよく知りませんでした。
もちろん、「新明解」の異色の世界についてもちゃんと書かれています。
メディアでは「恋愛」の定義がよく取り上げられていますが、「新明解」も版を重ねるごとに「恋愛」の変遷を重ねてきたんですね。
もしかしたらご存じない方もいるかもしれないので、有名な「新明解」による「恋愛」の定義をご紹介しておきます。
>特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、
>二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、
>出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、
>常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、
>まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。
ちなみに、これは「第5版」の定義です。
哲学的だなあ。
「肉体的な一体感を得たい」って(笑)
「出来るなら」っていう留保がまた笑える。
そして、かなえられるのは「まれ」なんだね、恋愛って。
やっぱり「新明解」欲しい(今度こそ買おうかな)。
本書では、新明解に限らず、辞書ごとの特色が分かり易くまとめられており、購入の際の参考になりますよ。
活字中毒の私などは、紹介されている辞書全部が欲しくなってしまうほどです。
全体を通じ、著者の国語辞典に対する偏愛っぷりがヒシヒシと伝わってきて好感が持てる良書でした。