謹呈本
ちょっと必要があって古本を購入してみたら、
著者からの謹呈本でした。
森泉章先生はとても著名な先生で、この本も利息制限法の分野では割と有名な本なので、なんだかちょっと得した気分。
古本ってこういう出会いもあるから良いですよね。
内容も実に味があります。
特に「序説」の「利息制限の立法小史」がイイ。
我が国の利息制限法制史に関しても、律令下における「私出挙」にまで遡った記述がなされています。
個人的に面白いと思ったのは、徳川幕藩体制下において、すでに法定利率を超えるものについて訴権を与えない(上限利率を超える利率に基づく裁判はできず、一定の利率に引き直しをさせられる)という制度になっていたという点。
なんだこれは。近現代と同じじゃないか。
明治10年制定の利息制限法が上限利率を超過する利息について「裁判上無効」と規定していることの萌芽は、すでに江戸時代にあったんですね。
勉強になりました。