岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

ニューイヤー・コンサートのベスト

先日、今年のニューイヤー・コンサートについて取り上げたので、そのついでにオススメのディスクをご紹介。
 
 
まずは、ヘルベルト・フォン・カラヤンが、唯一ニューイヤー・コンサートに登場した際の1987年盤。
 


 
音楽に刺激を求めていた若い時分は、カルロス・クライバーの演奏などと比べて、退屈な演奏だなあと単純に思ってしまっていましたが、今あらためて聴いてみると、本当に素晴らしい音楽です。
 
ただ、こちらのディスク、残念ながら全曲盤ではないのですよ。
 

特に、カラヤンが好んだと言われている「ジプシー男爵」序曲が収録されていないのは致命的なマイナスポイントです。
 
ということで、全曲聴きたいという方には、映像版がオススメ。
 

これほど柔らかい表情で楽しそうに指揮しているカラヤンは、なかなか他の映像では見られません。
 
ほとんど最晩年に差し掛かったころの演奏ということもあってか、無駄な力みが一切なく、それでいて音楽の美しさを最大限引き出しているように思います。
 
特別なことを何もしていないという点においては本年のドゥダメルも同じですが、どうしてこうも違う音楽になってしまうのか。
 
「艶」ないし「色気」の違いとでも言いましょうか。
 
ベタな言葉で言うのも恥ずかしいですが、華麗で格調高い「ザ・ウィーン」の音楽です。
 
安心して音楽に身を委ねることができ、聴いていてとにかく幸せな気分になれます。
 
 
次にご紹介するのは、カルロス・クライバーによる1989年盤と1992年盤。
 
晩年において極端に出演回数の減ってしまったクライバーが、2回もニューイヤーに登場しているのは僥倖と言って良いでしょう。
 
カラヤンと同じ曲を何曲か取り上げているので、聴き比べてみるのも面白いと思います。
 
「こうもり」序曲、「ジプシー男爵」序曲、「天体の音楽」といった人気曲がかぶっているのは僥倖中の僥倖。「春の声」については、声入りと声無しと聴き比べられます。
 

正にクライバー・ワールドそのもので、一瞬たりとも気を抜くことを許されず、新年のお祝いなのに緊張を強いられてしまうかもしれません。
 
カラヤンとは全く方向性が異なり、ある意味では対極の演奏ですが、クライバーとウィーンの音楽との素敵な出会いがここにはあります。
 
何度も聴き直していると粗さが耳についてきますが、一期一会の本番でこのような演奏に出会えたなら、間違いなく感動するでしょう。
 
クライバーの場合は、その指揮姿を映像でご覧になることをオススメします。
 

指揮姿そのものに情報がたくさん詰まっていて、それ自体が芸術となっており、頭の中でどのような音楽が鳴っているのかよく分かります。
 
1989年に取り上げられたポルカハンガリー万歳!」やオペラ「騎士パズマン」のチャルダーシュなどでは、とにかくクライバーの煽りが凄くて、コンマスを務めたライナー・キュッヒルなどは鬼の形相で弾いているように見えます。
 
こちらも是非映像で確認していただきたいポイントです。
 
かつて、キュッヒルがインタビューの中で「クライバーの指揮で弾くのは楽しいですか?」との質問に対し、「とんでもない。こちらは付いて行くのに必死ですよ。」などと答えているのを見たことがあります(出典は失念しました)。さもありなん。
 
これに比べて、2回目の登場となった1992年の方はいくぶん肩の力が抜けているようにも見えます。
 
1曲目の「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲からして、同曲のベストと言って良い素晴らしい出来。
 
1992年盤には、個人的に大好きな「ジプシー男爵」序曲と「天体の音楽」が収録されています。
 
 
本来はその年の新年をお祝いするためのコンサートなのに、何年経っても繰り返し聴いてしまうディスクたち。
 
もしカラヤンクライバーだけで飽き足らないようであれば、ここ20年分以上は毎年リリースされていますので色々と聴いてみたら良いと思います。
 
 

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