ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート
先日、テレビを付けたときに、たまたま今年のニューイヤーコンサート(再放送)を放映していたので、本を読みながら観ていました。
クラシック音楽の世界で「ニューイヤーコンサート」と言えば、1月1日に毎年ウィーンのムジークフェラインザール(楽友協会ホール)で行われる、ウィーン・フィルのコンサートのことを意味します。
演奏される曲目も、通常のオーケストラコンサートで演奏される曲とは一風異なっており、演奏時間の長~い交響曲や管弦楽曲ではなく、ヨハン・シュトラウスやヨーゼフ・シュトラウスなどのウィーンやその他のオーストリア出身作曲家によるワルツやポルカなどを中心に構成されます。
毎年どの指揮者が指揮台に上がるのかが話題になるほど有名なコンサートなのですが、かつてカラヤンが指揮台に上がったとき、この世界的大巨匠ですらよほど嬉しかったのか、直前の予定をキャンセルして体調を整えたとかそうじゃなかったとか(未確認情報)。
今年、この晴れ舞台に上ったのは、グスターボ・ドゥダメル。
当ブログでも何度かその名前に言及したことのある若い指揮者です。
実はこれまでこの指揮者の音楽を真剣に聴いたことはありませんでした。
今回、初めて「本を読みながら」という程度ですが、真剣に聴いてみましたので、その感想を記しておきたいと思います。
私が、この指揮者の音楽から感じたイメージは、一言でいうと
ヘルシー
です。
氏の風貌や指揮ぶりから想像できないような音楽だったので、これはかなり意外でした。
他のレパートリーでは、もしかしたら違うのかもしれません。
良く言えば「健康的」ですが、カロリーが低すぎて少なくとも私好みではなく、物足りなさを感じてしまいました。
例えるなら、焼肉定食を食べに行ったのに煮物定食が出てきた感じ、あるいは、オシャレなワインバーへシャトー・マルゴーを開けに行ったのにウーロン茶を飲まされたような感じです(笑)
もし実際にご自身の耳で「違い」を確認されたいという方は、試しに「千夜一夜物語」(Tausend und eine Nacht)という曲を、1992年のカルロス・クライバーと聴き比べてみて下さい。
ところで、来年は久しぶりにリッカルド・ムーティの指揮が予定されているとのこと。
今や音楽界の大重鎮とも言うべき巨匠の登場ということで、期待が高まります。