橋本卓典「捨てられる銀行」を読みました。
読書ネタは久しぶりとなります。
もちろん、読書をしていないわけではありません。
こちらは最近読んだ本です。
地域金融機関に関する金融庁の考え方が分かります。
大雑把に言えば、財務指標よりも事業性（事業の将来性）を重視した融資を行って、地方を活性化しようというものです。
近ごろ「事業性評価」というワードをよく聞くようになりましたが、これまでの形式基準では融資が実施されないような事例であっても、事業の将来性が見込めるのであれば積極的に融資していこう、という方向性だと思われます。
そのために、地域金融機関はより深く取引先の中小企業にコミットし、積極的なコンサルティング機能を果たすべし、というのが金融庁の考え方のようです。
また、本書の中で紹介されている中小企業支援の実例を見ると、地域金融機関が地方の産業にとっていかに重要な役割を果たしているのかということを実感します。
金融の専門の方からすれば様々な意見があるのかもしれませんが、地方で中小企業の事業再生に関する相談を受けている弁護士の立場からすると、財務指標という形式基準に捉われない柔軟な中小企業支援が広く行われるようになることは、地方の産業にとって望ましい方向性だろうと思います。
今後も金融庁と地域金融機関の動向は要チェックですね。
