岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

「私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯」を読みました。

私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯/宝島社


最近本屋で見つけて一気読みしてしまった本です。

著者の深井俊之助さんは御年102歳でご存命の方とのこと。

大正3年生まれということは、故人である私の祖父と同い年ということになります。


本のタイトルに「私はその場に居た」と入っていますが、この本のメインテーマの一つは、

 レイテ沖海戦における栗田艦隊の謎の反転

にあります。

著者は、その当時、戦艦大和の副砲長として、艦橋での艦隊司令部のやり取りを目撃されたのだとか。

戦史を齧ったことのある方には、あらためて説明の必要もないことですが、レイテ沖海戦における栗田艦隊の反転の理由については、戦史上最大の謎の一つとされています。

レイテ沖海戦についてご存じない方は、とりあえずこちらをご覧ください(長いけど)。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
レイテ沖海戦

連合艦隊の総力を結集した決死の作戦であった捷一号作戦において、栗田長官率いる主力艦隊は、甚大な被害を被りながらも、米軍上陸部隊が集結している(であろう)レイテ湾にあと少しで突入できるところまで進軍します。

実際に栗田艦隊がレイテ湾に突入していれば、味方は全滅したかもしれません(もっとも、元々それを覚悟の上でこの作戦を遂行しているわけです)が、米軍にも甚大な被害が出たであろうと言われています(ただし、異説あり)。

しかし、レイテ湾の入口を目前にしながら、なぜか栗田艦隊は針路を変更し、レイテ湾に突入することなく反転してしまうのです。

なぜ栗田艦隊が反転したのか、これは戦史上の大きな謎とされてきました。


この一件については、これまでも色々な人が色々な事を言っていますが、実際に現場にいた人の証言ということになると、資料は限定されてくるのではないでしょうか。

著者の深井さんは、既にメディア等でこの件に関する発言をされているようですが、この一冊は、この戦史上の大きな謎について新たな資料を提供するものであり、今後さらに議論が積み重ねられていくものと思います。

深井さんのご見解については、あえて伏せることにしますが、もしそれが真実であればひどい話です。

信じるか信じないかは「あなた次第」ですが、とても興味深く読ませていただきました。



読書日記 ブログランキングへ

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


岡山の弁護士 にしがわ綜合法律事務所の公式ウェブサイトはこちら