メトロポリタン・オペラの「トゥーランドット」
音楽ファンのブログ読者向けに「トゥーランドット」ネタでもう少し引っ張ってみる。
「まだオペラというものを観たことがないけど、観てみたい。オペラ入門者におススメのディスクは何でしょう?」という方に是非おススメしたいのが今日の一枚。
メトロポリタン・オペラでのライヴ収録盤である。
プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》 [DVD]/UNIVERSAL CLASSICS(P)(D)
何を隠そう、私がオペラというものに親しむようになったきっかけを作ってくれた1枚なのだ。
とにかく分かり易い筋とプッチーニの音楽に加え、オペラの醍醐味を十二分に味あわせてくれるスペクタクルな演出。
歌手陣も、全盛期に近い状態のドミンゴのカラフはやっぱり凄い(ただし高音に少し不安がある)し、タイトルロール(タイトル名と同じ名前の役のこと)のエヴァ・マルトンも良い。
リュー役のレオーナ・ミッチェルも素晴らしい出来だ。
みんな揃って演技もうまいと思う。
それから、レヴァイン指揮のオーケストラも、いかにもアメリカらしい明快な演奏で好感。
アメリカのオーケストラにありがちとも言うべき無機的かつ豪華なサウンドが、逆にトゥーランドット姫の役柄が持つ冷酷性を際立たせているようで、作品にピッタリだ。
演出のフランコ・ゼッフィレッリは、オペラ・ファンの間で知らぬ者のない有名な演出家である。
近ごろ流行の前衛的な演出ではなく、オーソドックスかつ豪華な舞台作りが信条のようだ。
オリエンタリズム的な、いかにも西洋人による東洋理解といった感じで、細かいことを気にしようと思えばいくらでも気になる点はあろうが、ここは何も考えずに壮麗な舞台を楽しんだ方が得策というものである。
なお、メトロポリタン・オペラのライヴについては、近時、ネルソンス指揮・同じゼッフィレッリの演出による別盤がブルーレイで発売されているようなので、映像の解像度を重視するならそちらを視聴されたい(ただし、未視聴のため演奏の出来については不明)。
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