佐藤優「世界史の極意」を読みました。
世界史の極意 (NHK出版新書 451)/NHK出版
常日頃「歴史に学ばなければならない」と言っておきながら、歴史に関する教養の薄っぺらさを痛感しています。
やはり、大学受験をしていないというのは、必然的に教養のバランスを崩すようです(もちろん、それを補って余りある程のプラスもあるとは思いますが…)。
何しろ、高校時代の日本史の授業は、1年間かけて平安京遷都までで終わりましたし、世界史に至っては何をやっていたのかまるで覚えていません(教科書を一度も開かなかったことだけは覚えています)。
ということで、世界史のお勉強。
この本は、世界史を眺める際の視座を一つ作ってくれる本です。
とはいえ、いわゆる「世界史」的な知識を説明する本では全くありません。
著者は、資本主義、民族、宗教の観点から、歴史をアナロジカルに見ることを提唱しています。
資本主義の部分に関しては、正直(先日読んだ水野和夫氏による著書の明快さに比べると)なんだかボヤっとしていてよく分からなかったのですが(何となく雰囲気的には了解できるものの、著者の主張の全貌を理解するには紙面が足りない)、民族問題、宗教紛争の観点に関する叙述については非常に参考になりました。
具体的には、主にウクライナ紛争とイスラム国の問題が取り上げられています。
現在及び今後の世界情勢を理解するために、資本主義、民族問題、宗教紛争についての教養が不可欠であるという著者の指摘は的確であろうと思います。
とかく紛争の原因としてとらえられがちな「宗教」そして「民族」ですが、「宗教的連帯感は民族を超え、ナショナリズムは宗教紛争を抑制する」という著者の主張には「なるほど!」と思わされました。
これをきっかけに、佐藤優氏の著書についても色々と読んでみたいと思っています。
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