岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

W杯ブラジル大会、いよいよ大詰め!

ここのところ書面の提出期限に追われており、ろくにブログも更新できていませんでした。

ですが、更新を待っている方がきわめて少数いらっしゃると思いますので、気分転換に更新してみることにします。


W杯ブラジル大会もいよいよ大詰めですね!

先日、開催国ブラジルがドイツに歴史的惨敗を喫しました。

試合を見ていて何だかかわいそうになりましたね。

3点目を失ったあたりで、呆然としている人、すでに泣きじゃくっている女性や子供の姿が何度もテレビで映し出されていました。

W杯をご覧になっている方はご存じだと思いますが、この試合には、エースのネイマールとキャプテンのチアゴ・シウバが出ていません。

攻撃の要であったネイマール、守備の要であったチアゴ・シウバがもし出ていたら…という思いのサッカー・ファンは多いと思います。

特に、チアゴ・シウバが出ていれば、あのような無様な負け方はしなかったのではないかと思わざるを得ません。

2点目を失った後の守備の綻びは、キャプテン不在という緊急事態において、ディフェンスが崩壊してしまった場合の対処法がしっかりと考えられていなかったという組織論的な問題もあるように思います。


ところで、今回の試合のように、カウンター攻撃で大量失点するサッカーの試合というのがたまにあるのですが、そのような試合を見るたび、ミッドウェー海戦を思い出してしまうのは私だけでしょうか。

ディフェンスラインの裏を自由に使われてしまっている様子が、がら空きとなった上空からの急降下爆撃でやられてしまった南雲機動部隊の様子と妙にオーバーラップしてしまうのです(分からない方すいません)。


ミッドウェー戦史は、我が国特有の組織論的病理を分析・研究する上でも多くの示唆を与えてくれます。

ミッドウェー戦史については多くの本が出版されていますが、とりあえずこれをご紹介。

ミッドウェー海戦 第一部: 知略と驕慢 (新潮選書)/新潮社


ミッドウェー海戦 第二部: 運命の日 (新潮選書)/新潮社


さらに、日本軍の組織論的病理について分析した古典的名著として、こちらをご紹介。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)/中央公論社



これらの本を読むと、日本の組織論的病理は何十年も前(おそらく数百年も前)から全く変わっていないことがよく分かります。

かといって、対処をすることも簡単でないというところが「病理」なわけでして。

でも、そのようなわが国特有の問題を知っておくことは全く意味がないというわけではないでしょう。


日本代表は今回のW杯で決勝トーナメントに進出できなかったわけですが、代表チームの運営上の組織論的問題はなかったでしょうか。

単にサッカーの内容を云々するだけでなく、日本サッカー協会の組織論的問題、サッカー報道をめぐるメディアの組織論的問題、代表チームとの関わり合いに関する日本全体の組織論的問題についても、少し考えてみた方がいいのではないでしょうか。


今回の結果を受けて、日本サッカー協会にはどのような責任をとってもらうべきでしょうか(まさか、全く責任をとらないなんてことはないでしょうな?)。


今回のW杯に関連する報道を見ていて、日本代表に対する批判を正面から口にしたメディアはほとんど見ませんでした。

出てくる言葉は、「必ず勝てます!」「勝ちましょう!」みたいな威勢のよい言葉ばかり。

試合後、ふがいない試合内容について正面から鋭く批判したメディアもほとんど見ませんでした。

準決勝敗退後のブラジルの新聞なんて、全選手及び監督に評点「0」を付けていましたよ。

日本ではそのようなことを口にすることが憚られるような空気がメディアを支配しているのでしょう。


帰国した代表に対する空港での黄色い声援にも非常に違和感を覚えました(だからといって、どこかの国みたいに罵声を浴びせるべきだなどとは思いませんがね)。


というわけで、我が国のサッカーをめぐる「病理」には非常に根深いものがあるなあ、と随所で感じたW杯でした。

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