巨星墜つ!
本当はブログを更新している場合ではないのですが、どうしても書かなければなりません。
今週、世界中の音楽ファンを悲嘆させる出来事がありました。
当ブログにも何度か登場した「現役最高の指揮者」、クラウディオ・アバド氏が亡くなったのです。
まずは過去の記事をご紹介。
現役最高の指揮者
アバド/ルツェルンFOのコンサートを視聴しました。
私がアバドのコンサートを生で観たのは2回です。
1回目は、高校生のとき。
ムソルグスキーの「はげ山の一夜」(原典版)、ストラヴィンスキーの「火の鳥」、チャイコフスキーの「交響曲第5番」というプログラムでした。
当時は、今から考えても、音楽のことなんて全く分かっていなかったけど、サウンドだけは今でもはっきりと覚えています。
1曲目の「はげ山の一夜」は、一般的にリムスキー=コルサコフによる編曲版がよく知られているのですが、アバドがこのとき取り上げた原典版は冒頭が衝撃的です。
遠くから徐々に音が近づいてくるような印象の(ピアノから徐々にクレッシェンドしていく)リムスキー=コルサコフ版と違って、原典版ではいきなりフォルテで始まります。
私も当時はリムスキー=コルサコフ版しか知りませんでしたので、ビックリしました。
さらに、当時ベルリン・フィルの首席だった伝説的ティンパニスト、フォーグラー氏のティンパニに衝撃を受けました。
幸運なことに、このときの公演(同一プログラムでもう1公演あったので、そちらかもしれません)が市販されているので、いつでもこのときの体験を追体験することができます。
ベルリン・フィルの公式チャンネルに動画がアップされていたので、どうぞ。
2回目も高校生のときで、ベートーヴェンの「交響曲第9番」でした。
残念ながら「うまいな~」と思った以外にあまり記憶がありません。
当時、第九のことを全く分かっていなかったのが原因でしょう(今でもよく分かっていませんが)。
たぶん今観に行ったらとても衝撃を受けると思います。
アバドの音楽の特色は、語弊をおそれずに言えば、楽譜に忠実であることだと思っています。別の表現をするとすれば、「純音楽的」とでも言えばよいでしょうか。
「楽譜に忠実」と言うと、ともすれば「無機的」なのかという印象を持たれるかもしれませんが、アバドの音楽はそれとは全く対極にあります。
「自然かつ雄弁」、これがアバドの音楽なのではないでしょうか。
(一部の頑迷な「精神主義者」には批判されることが多いけれど、たぶん楽譜が読めないんでしょう。)
痛恨なのは、いつか絶対聴きたいと思っていたルツェルンFOとのコンサートを聴きに行けなかったこと。。。
アバドには様々な音楽体験をさせてもらいました。
感謝は尽きません。
合掌。
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