第9回判例勉強会
ここのところバタバタしておりまして、ろくにブログが更新できない状態となっております。
とりあえず先週開催した判例勉強会の報告をして、1回お茶を濁そうかと企んでおります。
今回の発表は私が担当しました。
お題は、「建物建築請負人の建物敷地に対する商事留置権の成否」をチョイスしました。
一般の方が聞いても全く何のことやらよく分からないテーマだと思いますが、実務上は激しく争われる可能性のある論点です。
この問題は、条文解釈上の問題や利益衡量上の問題など、考えるべき点が色々あり、条文解釈の力と利益衡量の力を測る試験である司法試験にはもってこいのお題ではないかと思います。
条文解釈の面では、
①不動産が商法521条の「物」に当たるか
②建物建築請負人が建物敷地を「占有」していると言えるか
③仮に「占有」していると解する場合には、「商行為によって自己の占有に属した」と言えるか
などといった点が問題となります。
利益衡量の面では、
「建物建築請負人の利益」と「抵当権者の利益」とが激しくぶつかる場面といえます。
今回は、これらに加えて破産管財人の立場からの検討も加えましたが、そこまで行くと司法試験の範囲を超えてしまうかもしれません。
司法試験受験生の方は、一度この問題についてじっくり検討されると、法律的な物の考え方というものが分かって良いと思います。
終わった後は、勉強会メンバーである元イタリアンシェフの後輩弁護士(ただし年上)に、手料理をごちそうになりました。
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