日本vsタジキスタン
W杯予選「日本vsタジキスタン」をテレビ観戦した。
結果はご案内のとおりの大勝。
快勝は快勝だが、この勝利に浮かれているようでは、はっきり言って「御目出度い」と言わざるを得ないだろう。
試合後に長谷部選手が語っていたとおり、この試合は「すぐに忘れなければならない試合」だ。
長谷部選手は「勝って兜の緒を締めよ」的感覚でそのように言ったのではなく、本音を語ったに過ぎないと思う。
タジキスタンの選手がフェアプレーだったとか監督が謙虚だとか言ってメディアに取り上げられているようだが、試合内容そっちのけで、相手のフェアプレーだとかお世辞だとかで舞い上がっている様は滑稽ですらある。
タジキスタンは全く日本のボール回しについてこれず(ついてこず?)、延々とプレスのかからない状態が続いていた。
公式戦でこれほどのワンサイドゲーム(もちろん、ワンサイドかどうかは点差の問題ではない)はなかなかお目にかかれるものではないだろう。
正直なところ、これが実力差によるものなのか、相手の戦術ミスによるものなのか、それとも単にサボっただけなのかすら良く分からなかった。
そのような意味で、この試合は、日本代表の真の実力を測る上では全く参考にならない試合だったと思う。
日本代表のプレーに良かった点が多々見られたのも確かであるが、この大勝によって悪かった点が完全にスルーされてしまうことは、日本サッカーの発展にとって百害あって一利なしというべきであろう。
メディアには今回のような試合でも試合内容に対する批判精神を発揮してもらいたいし、逆に内容を見ず結果だけを見てつまらない批判精神を発揮することは厳に慎んでもらいたい。
この試合から得られた教訓のうち、何よりも忘れてはならない点は、「格上相手に90分間守りきることは不可能」ということがあらためて確認されたことだ。日本代表が今後格上の相手と対戦する際には、ひたすら引いて守るという戦略を放棄しなければならない。
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