安藤優一郎「幕末維新 消された歴史」読了。
幕末維新 消された歴史/安藤 優一郎
¥1,890
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面白く読ませていただきました。
「明治維新を達成した薩摩・長州藩は勝つべくして勝った善玉で,政権の座から退いた徳川方は負けるべくして負けた悪玉」という教科書的・予定調和的な歴史観に真っ向から立ち向かう書です。
よくよく考えれば当たり前の話ですが,薩摩・長州も決して一枚岩ではなく,幕府・会津なども一枚岩ではなかったということ,それぞれの藩の中にもさまざまな考え方が渦巻いていたことなどが資料を元に明らかにされていきます。
また,薩摩・長州側の勝利は全く盤石のものではなかったのであり,様々な思惑・要素・偶然性の産物として歴史が形作られてきたことを,あらためて認識することができました。
「幕末維新」に限らず,近時,教科書的・予定調和的な「勝者の歴史」に真っ向から批判を加える書がたくさん出版されていることは,とても喜ばしいことです。
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