岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

読書

橋本卓典「捨てられる銀行」を読みました。

読書ネタは久しぶりとなります。 もちろん、読書をしていないわけではありません。 こちらは最近読んだ本です。 捨てられる銀行 (講談社現代新書)864円Amazon 地域金融機関に関する金融庁の考え方が分かります。 大雑把に言えば、財務指標よりも事業性(事業…

読書週間

読書の秋。 毎年10月27日~11月9日は、公益社団法人読書推進運動協議会の定める「読書週間」らしいです。 ということで、最近読んだ本を色々とご紹介しようと思ったのですが、いざ紹介しようとなると、少し前に読んだ本の内容とかを思い出さないとい…

読書録「ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論」

先日、東京へ行った際に国立新美術館で開催中の「ヴェネチア・ルネサンスの巨匠たち」という美術展を見に行ったので、帰ってきてから家に積読状態になっていたこの本を手に取ってみました。【カラー版】ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論 (集英社新書)/集…

昭和史読書録

歳のせいか(もしかしたら昔からかもしれないが)、読んだ本の内容をすぐに忘れてしまう(もしかしたら最初から覚えていないだけかもしれない)。下手をするとその本を読んだことすら忘れてしまっている場合がある。ということで、ここ2~3ヶ月の間に読ん…

木村正人著「EU崩壊」を読みました。

今本屋に行くと、この本が目立つところに置いてあります(丸善調べ)。ギリシャのデフォルト、フランスのテロ、Brexitなどで最近話題になることが多く、社会の注目を集めているのでしょう。しばらく前に購入して積読状態になっていましたが、ようやく通読。E…

【必携②】近代史必携

前回、「事典 昭和戦前期の日本」をご紹介しました。この本は、戦前期日本の国家システムについて概説した本でしたが、具体的なデータなどを参照したいとき、資料集的に利用したいのであればこちらがオススメです。近代史必携/吉川弘文館歴代内閣の閣僚名簿…

【必携】事典 昭和戦前期の日本―制度と実態

最近の興味分野は、戦前期の日本。興味のポイントは様々ですが、大きなものとしては ・なぜ政党政治は破綻したのか ・対米戦争を決定づけた出来事は何か(いわゆる「ポイント・オブ・ノーリターン」の問題) ・戦前期の国家システムには制度的欠陥があったの…

おすすめ本:「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか

少し前に読んでとても面白かった本。「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか (ちくま新書)/筑摩書房著者の物言いは時として過激であるが、その真意を読み解くには「行間」を読まなければならないだろう。タイトルは挑戦的であるし、内容においてもかな…

おすすめ本「日本酒テイスティング」

数か月前、ワインの入門書(ワイン一年生)をご紹介しましたので、今回は日本酒の入門書をご紹介。日本酒テイスティング (日経プレミアシリーズ)/日本経済新聞出版社日本酒の入門書についても、世の中には多数出回っていますが、中々「これ」といったものに…

「私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯」を読みました。

私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯/宝島社最近本屋で見つけて一気読みしてしまった本です。著者の深井俊之助さんは御年102歳でご存命の方とのこと。大正3年生まれということは、故人である私の祖父と同い年というこ…

おすすめ本「ワイン一年生」

ワインの入門書は世に溢れていますが、逆にどれを読めばいいのか迷ってしまいますよね。そんなあなたに、超オススメなのがこちら。 ワイン一年生です。図解 ワイン一年生 (SANCTUARY BOOKS)/サンクチュアリ出版店頭に並んでいるのを衝動買いして読んでみたの…

オリエント急行殺人事件

年明けにアガサ・クリスティーの「オリエント急行殺人事件」を読みました。オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/早川書房普段はあまりミステリー小説を読まない(読んでもせいぜい東野圭吾とか宮部みゆきくらい)のですが、年始に三谷幸喜…

今年の目標

皆様、明けましておめでとうございます。一年の初めには、一年の目標を立てるもの。そういうわけで。仕事上の目標はとりあえず脇に置いておきます。発表します。今年の目標は・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 長編小説をたくさん読むこと!に決定しまし…

脳のスイッチを入れる読書

先日読んだ本に書いてあった話。作家の奥泉光氏は、毎日執筆を始める前に夏目漱石の「吾輩は猫である」を読むそうだ。漱石を読むことで、脳の状態を創作活動モードへスイッチオンするということだろう。この話を読んで、かのクロード・レヴィ=ストロースが…

池上彰・佐藤優共著「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書」を読みました。

大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)/文藝春秋新刊書を早速読んでみた。池上彰・佐藤優の共著による「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書」。池上氏×佐藤氏のペアは、すでに数冊(単行本化されたものはたぶん2冊)の共著を出版しており、いず…

川北稔「砂糖の世界史」を読みました。

少し前に読んだ本。砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)/岩波書店岩波「ジュニア」新書だからといって侮るなかれ。平成8年に出版されて以来どんどん版を重ねており、「名著」と言われている本である。読書案内や書籍ガイドにも多数取り上げられており、もはや…

坪井賢一「これならわかるよ!経済思想史」を読みました。

これならわかるよ!経済思想史/ダイヤモンド社こちらも最近読んだ本。「資本論」の中で、マルクスはアダム・スミス以来の古典派経済学を舌鋒鋭く批判している。そうなると、まずは古典派経済学についてそれなりに理解できていなければ、マルクスの言い分を正…

的場昭弘「超訳 資本論」を読みました。

資本論の勉強も少しずつ継続している。お盆休みに読んだのが、「超訳『資本論』」三部作。超訳『資本論』 (祥伝社新書 111)/祥伝社超訳『資本論』第2巻-拡大再生産のメカニズム (祥伝社新書153)/祥伝社超訳『資本論』第3巻 完結編-「資本主義」は、なぜ人々…

津野田興一「やりなおし高校世界史」を読みました。

やりなおし高校世界史―考えるための入試問題8問 (ちくま新書)/筑摩書房またまた世界史のお勉強で読んだ本。スタイルとしては、世界史の大学入試問題、それも論述問題を題材に基礎知識のおさらいと解答の検討を行うものである。だが、「やりなおし高校世界史…

小谷野敦「日本人のための世界史入門」を読みました。

世界史の勉強がとにかく楽しい。お盆休みに副読本として読んだ一冊がこちら。日本人のための世界史入門 (新潮新書)/新潮社アマゾン先生の評価にはかなり厳しいレビューが並んでおり、それらの感想が全く理解できないわけでは無い。というのも、この本は池上…

資本論が読みたくて。

最近、カール・マルクスの「資本論」が再び脚光を浴びている。一昔前は左翼のバイブルと言われ、冷戦終結後には著しく社会的地位の低下した同書であるが、特にリーマン・ショック以降、資本主義の今後に不安を感じ始めた人々の間で見直しが進められているよ…

「平和のための戦争論 集団的自衛権は何をもたらすのか?」を読みました。

平和のための戦争論: 集団的自衛権は何をもたらすのか? (ちくま新書)/筑摩書房先日ご紹介した 防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだかの次に読む本としておススメである。内容としては、安全保障学及び国際政治学の基本的な知識をおさらいした上で、こ…

「防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか」を読みました。

防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか(祥伝社新書)/祥伝社元防大生の若手著者2名の共著による「防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか」を読みました。結論から言います。とっても良い本です。内容は、安全保障学及び国際政治学の入門書。著者…

ドイツ帝国

最近売れているみたいなので、エマニュエル・トッドの日本向け近著、「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告を読みました。「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)/文藝春秋本書に通底するテーマは、一言で言うと帝国化する…

武貞秀士「東アジア動乱 地政学が明かす日本の役割」を読みました。

東アジア動乱 地政学が明かす日本の役割 (oneテーマ21)/KADOKAWA/角川学芸出版現下の東アジア情勢についてお勉強。ランドパワーとシーパワーの観点から東アジア情勢を読み解く本です。冒頭に富山県が発行している「逆さ地図」(通常の東アジア地図をぐるっと…

「マハン海上権力論集」を読みました。

マハン海上権力論集 (講談社学術文庫)/講談社アルフレッド・セイヤー・マハンは、19世紀後半から20世紀初頭に生きたアメリカ海軍の軍人です。「海上権力」に注目したマハンの論文は、アメリカだけでなく世界中の国家の外交・軍事戦略に大きな影響を与え…

曽村保信「地政学入門-外交戦略の政治学」を読みました。

地政学入門―外交戦略の政治学 (中公新書 (721))/中央公論社前回ご紹介の本に引き続き、地政学のお勉強。この本では、 マッキンダーの地政学(英系) ハウスホーファーの地政学(独系) アメリカにおけるモンロー主義の系譜(とりわけ、スパイクマンによる米…

「世界史で学べ!地政学」を読みました。

世界史で学べ! 地政学/祥伝社世間では安全保障論議が喧(かまびす)しい昨今ですが、国際関係についての知識もなく安全保障を語ることは無責任と言わざるを得ないでしょう。ということで、地政学的なものの見方を勉強してみようと思い、こちらの本を手に取…

安藤優一郎「大名行列の秘密」を読みました。

大名行列の秘密 (生活人新書)/日本放送出版協会「超高速!参勤交代」という映画があるのですが、以前、修習生さんにおすすめされていたのを、このたび観てみました。超高速! 参勤交代 Blu-ray/松竹そして、その副読本として手に取ったのが、本日ご紹介する「…

吉田松陰「留魂録」を読みました。

吉田松陰 留魂録 (全訳注) (講談社学術文庫)/講談社大河ドラマであまりにも欲求不満が溜まったため、思わず手に取ってしまいました。言わずと知れた、吉田松陰の留魂録。死が間近に迫っていることを感じた松陰が死の直前に一気に書き上げた遺書ともいうべき…